身体の左右対称性
どうやら、右脳と左脳は全く違う働きをすると思っている人が少なくないようです。
確かに、違う面もあるにはありますが、同じ面もたくさんあります。
脳の前に、身体についてみておきましょう。
ヒトの身体はおおよそ左右対称にできていますので、左右に2つあるものが多いですね。
腕も2本、脚も2本、目も耳も2個、腎臓や肺も2個。
そして、それぞれ基本的には同じ機能を持っています。
脳の左右対称性
脳はどうでしょうか?
ヒトだけでなく、動物の脳が右脳と左脳にはっきり分かれているのは事実です。
では、右脳と左脳は同じ機能を持つのでしょうか?
それとも?
脳は、脳の場所(脳領域)によって機能分担していて、目や耳からの感覚情報を処理する感覚野、手や足を動かす指令を送る運動野などが区別されます。
これを脳の機能局在と言いますが、それが分かったのは、運動性言語野であるブローカ野の発見がきっかけでした。
機能分担している脳領野は、右脳と左脳でおおよそ左右対称に分布しています。
これは、右半身を左脳が、左半身を右脳が別々に担当しているからです。
そのため、例えば、右脳で脳梗塞が起きると左半身が麻痺することになります。
ちなみに、脳の左右と身体の左右が逆なのは、脳の一番下で首の辺りにある延髄の錐体という所で右脳と左脳からの神経線維が交叉しているからです。
各脳領域は、処理対象で左右の違いこそあれ、機能的には同じ役割を担っていることも多いわけです。
右脳と左脳で違いがあるのも事実だけれど
一方で、右脳と左脳に違いがあるのも事実です。
先ほど、ブローカ野について触れましたが、ブローカ野のように言語の処理をする言語野は左脳に多いようです。
実は、役割が分かっていない脳領域もたくさんあり、世界中で研究が進められていて、右脳のこの辺りはこんな情報処理をしているようだ、とかいう論文が毎日、何本も報告されています。
論文が報告されたとしても、ある機能について右脳という研究者もいれば、左脳という研究者もいたりして、分かっていないことがたくさんあります。
では、どんな役割が右脳と左脳で違うのでしょうか?
もちろん、脳科学はまだそのことに明確な答えを与えることはできません。
しかし、言葉を聞いて理解するとか、話をするとか、覚えるとか、計算するとかは、右半身/左半身のように右脳と左脳で分担する必要がないので、右脳と左脳のいずれかが「主」として機能し、もう片方が「従」として機能するのではないか、と私(武永)は考えています。
右脳と左脳に違いがあるのも事実ですが、同じ機能もたくさんあることを知っておいてください。
次回は、今回、用語だけ登場したブローカ野について簡単に書いてみたいと思います。
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では、また!
(了)
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