ニューロン同士の情報伝達は神経伝達物質が担う
脳の情報処理の主体はニューロン(神経細胞)ですね。
870億ものニューロンが、複雑なネットワークを組んで情報処理を実現しています。
ニューロンとニューロンのつなぎ目をシナプスと言いますが、ぴったりくっついているのではなく、ちょっと隙間があります。
では、どうやって情報を伝えるのか?
それは、送り手のニューロンが特殊な分子を放出して、それを受け手のニューロンが受取ることで伝わるようになっています。
その特殊な分子を神経伝達物質と言います。
コカインは、神経伝達物質の回収口を塞いでしまう
そして、神経伝達物質は、すぐに放出した送り手のニューロンに回収されます。
この「回収」、大事です。
せっかく作った神経伝達物質が無駄にならないようリサイクルしているだけではありません。
情報伝達をだらだら続かせず、一瞬で終わらせることで、情報処理速度を高くしているのです。
脳の快楽物質と呼ばれるドーパミンも情報伝達物質の一つ。
ドーパミンがやり取りされる脳領域で情報伝達が盛んになると、快楽を感じます。
薬物乱用には、薬物がこの快楽システムを過剰に活性化してしまうケースがあります。
例えば、コカイン。
体内に入ったコカインは血液を通して脳に到達します。
そして、ニューロンとニューロンの間のシナプスに。
すると、送り手ニューロンの表面にある、神経伝達物質の回収口を塞いでしまうのです。
回収されないドーパミンは、隙間を漂い続け受け手ニューロンに情報伝達し続けることになって、強い快楽が持続してしまいます。
うつ病治療薬SSRIの作用はコカインと同じ
この、神経伝達物質の回収口を塞いでしまう手は、他の治療に応用されています。
例えば、うつ病の治療薬であるSSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors、セロトニン再取り込み阻害薬)。
再取り込みというのは、先ほどの「回収」という意味です。
セロトニンも神経伝達物質の一つですが、うつ病ではそれが少ないとされています。
放出されたセロトニンが少ないながらも情報伝達をしっかり担ってもらうため、回収(再取り込み)されないようにしようというのが、SSRIなのです。
脳科学でビジネスライフを快適に!
では、また!
(了)
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