なぜ、コミュニケーション能力が大事なのか
ビジネスのいろいろな場面で、コミュニケーションが大事なことは皆さんもお気付きのことと思います。
しかし、日々の業務に忙殺されてしまい、コミュニケーションについて考えるのが後回しになることが多いのが現実ではないでしょうか。
日々の業務に追われながらも、コミュニケーションを軽視せず、努力を重ねておられる方こそが結果を残しておられるのだと思います。
圧倒的によい商品なりサービスがあるのであれば、営業やコミュニケーションなど気にすることなく、どんどん売れて行きます。
ただ、たいていの場合は、複数の競合他社(他者)との間で商品やサービスに圧倒的な差はなく、僅差の争いになるわけです。
顧客から見ると、商品やサービス自体にあまり差はありませんから、他の要素が効いてきます。
例えば、ちょっと感じがいいとか、話がちょっと面白いとか、出身が同じとか、服などのセンスがいいとか。
これこそ、営業であり、コミュニケーションなのですね。
では、圧倒的な営業力やコミュニケーション能力を身に付けないとダメなのでしょうか?
いえいえ。そんなことはありません。
イメージするのは、分水嶺
ところで、「分水嶺」をごぞんじでしょうか。
日本の本州に降った雨は、太平洋か日本海のいずれかに流れます。
大阪や東京に降った雨は太平洋に、金沢や鳥取では日本海に注ぎます。
山間部に降った雨も同じことです。
では、太平洋側と日本海側を分ける山のてっぺんではどうでしょうか?
雨が落ちる点が、ほんの僅かずれただけで太平洋側に注ぐことになったり、日本海側に注ぐことになったりします。
その境界を「分水嶺」と言います。
この分水嶺は、岩山で鋭くとんがって、いかにもここが境界ですと言わんばかりの所もあれば、ほぼ平らなのにほんのわずかな高低差で境界になっている所もあります。
私(武永)は以前、岐阜の大日ヶ岳近くにある、ひるがの高原に行ったとき、分水嶺があるというので立ち寄ったことがあります。
ほぼ平らなのですが、こっちの水は太平洋に、あっちの水は日本海に、という境界にいると思うと何だか不思議な感じがしました。
ちなみに、そこでは太平洋側に向かうと鵜飼で有名な長良川となり、揖斐川と合流して伊勢湾に注ぎ、日本海側だと庄川となって富山湾に注ぐとのこと。
わずかな違いで買う買わないが決まる
何が言いたいのかと申しますと、ほんのわずかな違いが結果として大きな違いになるということです。
顧客が似たような商品やサービスを比較して迷っていて、どちらに転ぶか分からないというのは、ちょうど分水嶺近くに降る雨粒のようなもの。
個々の雨粒は、ちょっとした風があったりすると、流されて分水嶺の片側だけに偏ったりします。
ふーん、偏るだけかと思わないでくださいね。
自分の方にはほとんど落ちて来ない、つまり、自分の商品やサービスが選ばれないことを意味するのですから。
雨粒に当たる風というのは、先ほど挙げましたような、ちょっと感じがいいとか、話がちょっと面白いとかなどの些細なことを含めたコミュニケーションなのです。
わずかな風でよいのですから、ずば抜けた営業力やコミュニケーション能力を身につけなくとも、ほんのわずかでも他者より工夫をする人が勝ち残って行くのです。
顧客にとっては、何を買うかではなく、誰から買うかが結構大事だったりします。だからこそ、コミュニケーションが大事だということになるのですね。
コミュニケーションをとるのは、脳です。脳のことを知らずして、小手先のテクニックに翻弄されていると遠回りになります。
ということで、脳のクセを理解してコミュニケーションを少しずつうまくしていきましょう、というのが、このブログのメインコンセプトの一つなのです。
(了)
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