巷にあふれる右脳左脳ネタはエセ科学
アナタは右脳派?
それとも、左脳派?
とかいう右脳左脳ネタをよく見聞きします。
右脳派か左脳派かを知るための診断サイトやアプリもあったりしますね。
なんでも、右脳と左脳は情報処理のタイプが違うのだそうです。
左脳:論理的な処理や言語の処理
右脳:直感的・創造的・非言語的な処理や感情の処理
で、日本の教育では左脳ばかりをトレーニングして創造性が養われないから、右脳をトレーニングして創造力をアップしよう、みたいな。
信じている方には残念なお知らせとなりますが、巷にあふれる右脳左脳ネタは誤解に基づくエセ科学です。
右脳と左脳はしっかり連絡しています
右脳と左脳は独立に機能しているものではありません。
脳梁などでしっかりつながって、相互に連絡しています。
右手を動かすのは左脳、左手を動かすのは右脳といった、運動や感覚での違いはあります。
創造力のように高次な脳機能ほど、右脳と左脳はしっかり連絡を取り合って情報処理をこなしています。
もちろん、左脳は言語処理が優位で、右脳は図形処理が優位とかいう多少の差もあったりしますが。
エセ科学なのは、右脳と左脳が全く違う情報処理のタイプだとする見方です。
世界的にも問題視されていまして、2007年に経済協力開発機構(OECD)が正しい脳科学の理解と普及を目的として掲げた8つの神経神話(疑似科学)の一つにもなっています。
以前、ドラマで科警研の九十九龍介が言っていた「人間の脳はまだ5%しか使ってない」というのもその神経神話に含まれます。
創造力に乏しいのなら、右脳を鍛えましょうだなんて(笑)
いつもとは違う脳の使い方をしてみましょう、というのは分かります。
それを、「右脳を鍛えましょう」となるのがおかしいわけです。
具体的な物的対象がある方が説得力があるのですかね。。
顧客に見限られないためにも必要な脳科学リテラシー
脳科学を役立てるには、脳科学を正しく知らないといけません。
当たり前なことですが、これが意外と難しくなっています。
というのは、脳ブームに乗る形で怪しい情報がたくさんあって、何が正しいのか区別つけづらいからです。
実験で大きな発見があると、科学ニュースとして報道されます。
しかし、その価値を見出し役立てるには、正しい知識に基づく脳科学リテラシーを身につけておく必要があります。
顧客とのやり取りで脳科学の話題を使う機会もあるでしょうし、顧客との自然な会話の流れで脳科学の話題が出ることもあるでしょう。
こんなときこそ、脳科学リテラシーが問題となります。
脳科学への関心が高いこの時代、ちょっと勉強すれば分かるようなことは顧客はすでにご存知と思った方が無難です。
ぱらっと読んだビジネス書に書いてあった「脳科学的な」知識をにわか仕込みでひけらかしても、簡単に見破られます。
下手を打つと、「この人はその程度」とか、「この人は信用できない」と見限られてしまうのです。
そうならないよう、気をつけたいですね。
情報収集するときは、右脳/左脳の認識が間違っている部分があったしても、役に立つ情報が多い本もたくさんありますので、脳科学的におかしい部分があったとしても、本の全内容を否定するのはもったいないことです。
さらっと書いて間違っているくらいなら許してあげましょう。
問題なのは、間違っていることを平然と書いていながら、脳科学者と名乗っていたり、脳科学の専門的なことにやたらと結びつ付けてくる場合は、要注意と言えます。
脳科学でビジネスライフを快適に!
では、また!
(了)
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