疑似科学に騙されないためのリテラシー
疑似科学というのは、科学的にみえるけれども、科学的根拠がないもののこと。
脳科学が疑似科学として扱われるときは、科学的根拠がないのに、前頭葉とか、扁桃体とか、海馬とか、ドーパミンとか、アセチルコリンとか、専門用語を無理やり関連付ける手口がよく見られます。
基本的な知識がないと、専門用語が出てきただけで「へぇ~」となってしまうのも、ある程度無理のないこと。
騙す方が悪いわけですが、騙されないよう自己防衛しないといけません。
それには、受け取る側が正しい知識を身につけ、脳科学リテラシーを高めておく必要があります。
脳科学リテラシーを身につけていれば、巷に流れる脳科学情報の優劣も判断でき、何らかの形で役立てることもできます。
脳科学は難しそう、と思われがちなのですが、実際にはそれほど難しくはありません。
ご自身でハードルを上げる前に、よい本をお読みいただけたらと思います。
割とある?怪しい脳科学本
脳科学の正しい知識を身につけるには、良質な情報に触れることが大事です。
テレビや新聞で、「〇〇大学の研究グループが、〇〇が〇〇であることを発見しました。研究成果は、イギリスの科学雑誌ネイチャーに掲載されます。」などといって、最新の研究内容を紹介されることもあります。
そのようなニュースはたいてい良質な情報なのですが、ニュースで語られる言葉ですら専門性が高かったり、背景となる知識体系を知らなかったりして、なかなか分かりづらいもの。
ということで、本を読んでみようかという流れになるかと。
脳ブームということもあってか、脳科学関連の本がたくさん出版されていますね。
そこで、「これ面白そうだな」と思って、アナタが手にしたその本、大丈夫でしょうか?
というのも、脳科学本には怪しい本も少なからずあるのですね。
脳科学の(ちゃんとした)専門家が書いた本は、意外に少なかったりします。
巻末に論文リストがあれば大丈夫
せっかくお金を出して買うのですし、ちゃんとした著者の良質な本を買いたいですよね。
では、ちゃんとした本をどうやって選んだらよいのでしょうか?
簡単な方法があります。
それは、巻末に論文リストがあるかどうか。
横書きの英語で書かれていることが多いですね。
それがあれば論文になった実験事実(科学的根拠)を踏まえていると判断してよいでしょう。
ネットで検索すれば論文が見つかって、読むこともできます。
英語が得意な方、ぜひ、トライしてみてください。
一般の方には入手が難しい論文もありますが、我々同業者はほぼ全ての論文を入手できて、論文の中身をより詳しく知ることができます。
実は、論文まで遡ると、ちゃんとした著者の本でも、時々、論文とそれを参考に書いた本の内容に食い違いがあることもあったりしますが。
もちろん、論文リストがなければ全部ダメというわけではありません。
ただ、実験のことをバンバン書いているのに、論文情報がないのは怪しいですね。
論文リストを判断の目安としてご活用いただけたらと思います。
よい脳関係本の典型として、具体的に挙げるとすると、例えば、池谷裕二教授(東大)の本です。
論文リストがちゃんと付いています。
しかも、膨大な数だったり(笑)
論文リストがあっても文章が堅苦しく分かりにくい著者もおられますが、池谷教授の本はしっかりと論文に基づきながら、とても分かりやすく面白く書かれています。
脳に興味はあるけど、どの本を読んだらよいか迷っておられる方でしたら、まず、池谷教授の本からお読みになられるとよいでしょう。
脳科学でビジネスライフを快適に!
では、また!
(了)
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