先日は、脳のクセの一つ、「脳は、快楽を求める」の導入部分を書きました。
快楽さえ感じられたら、食べることも忘れてレバーを押し続けるラットの実験。壮絶でしたね。
ヒトの判断も、理性的というよりも快楽を求める側面に着目した方がよいと。
そして、お客さんとのコミュニケーションでもそれを意識しましょう、ということでした。
武永隆の脳ブログ「脳は、快楽を求める」(2015年6月11日)
お客さんに理解してもらうことだけで満足?
お客さんに喜んでもらいたい。。
当たり前と言えば、当たり前ですが、売る立場からだけ見ると、自分の商品やサービスを理解してもらうことが優先されがちです。
自信をもって売っているのだから、商品なりサービスのよいところさえ分かってもらえたら買ってもらえると。
一見、正論に見えますが、立場を入れ替えたら、そうでもないことがすぐに分かります。
あなたが買物をするときに、買おうと判断する決め手となったのは、その商品やサービスをよく理解できたからでしょうか?
振り返ってみると、商品やサービスの中身が決め手というわけではないケースが多いことに気付かれるはずです。
今回は、商品やサービス自体以外の「付加価値」に注目してみます。
横方向と縦方向の「付加価値」
「付加価値」にも、横方向と縦方向があります。
テレビで見て、良さそうだったからとか、
営業マンの感じがとても良かったからとか、
知人のオススメだからとか、
売っている本人をよく知っていて信頼しているからとか。
こうしたブランドイメージや口コミやは、商品やサービスに「お墨付き」が付加されることから、「横方向」の付加価値と捉えてみましょう。
これは割と分かりやすく、いろいろ取り組んでおられる方も多いと思われます。
では、縦方向は?
それは、時間軸のこと。
お客さんがそれを買おうと思われた動機(過去)や、買った後の予想図(未来)に思いを馳せましょう。
WISHを意識した接客 by 一圓克彦さん
リピーター創出コンサルタントの一圓克彦さんが、以前、セミナーで上手い例を挙げておられました。
とあるメガネ屋さんにおじいさんが来店しました。
どう接客したらよいでしょうか?
そのおじいさんの予算や好みをお聞きして、お似合いのメガネをご提案する、というのでは不充分。
買物の背景には何らかの「思い」があるかもしれません。
なので、その動機(過去)をうまく聞き出しましょう。
例えば、お孫さんから手紙をもらって、その返事を書きたいのだけれども、メガネが合わなくなってきていて上手く書けないから、だったりする。
店員さんがおじいさんとメガネを選ぶ流れ自体は「普通」で大丈夫。
問題は「付加価値」です。
ここで、最近流行りのキャラクターの便箋だと喜ばれますよ、とさり気なくお伝えする。
子どもとの接触頻度が低くなると、流行に疎くなりますから、こういった情報はとても効果的です。
それを聞いたおじいさんの脳裏には、自分が書いた手紙を喜んで手にするお孫さんの姿が浮かぶ。
これが、時間軸でいう未来図。
ということで、めでたくお買い上げ。
WISHを満たして、快楽につなげる
このような縦方向の付加価値を意識した接客をすることによって、お客さんのその店に対する印象がグッと良くなり、「またこの店に来よう」となります。
つまり、お客さんは何らかの「思い」を成就するために来店されたと考えて接客した方がよいのですね。
「思い」の成就は、脳に強い快楽をもたらしてくれます。
一圓さんは、この「思い」を WISH と表現されます。
そして、WISH を意識した接客がリピートにつながるという流れに持って行かれます。さすがですね。
一圓克彦さんのサイト:
http://ichienkatsuhiko.com/
このように、付加価値も横方向と縦方向、それこそ縦横無尽に駆使して接客する必要があるのです。
(了)
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